トピックス

MPBのお茶への使用事例

 


お茶への使用法

1.山間地の日照不足になり易い所は、特に効果が有ります。
2.MPBを使用すると、芽吹きが早まります。
3.可溶性成分(旨味)の多い肉厚な葉が出来ます。
4.霜害の茶園に対して、素晴らしい回復力を発揮します。(平成8年の大凍霜害でも実証済み)
5.繁茂期に散布すると、根の発育を良くし枝の生長を促進します。
6.茶樹には、葉面散布の外、根に灌注しても効果があります。
7.葉が厚くなり、生葉の収量が増加すると共に、製茶の歩留まりが向上します。
8.MPBの使用により葉緑素の形成が盛んになり(葉緑素計で測定出来る)、色の濃い、つやの良い新芽を摘採出来ます。

MPBを使用した茶農家さんの声

静岡県静岡市水見色 勝山 俊郎 様

他社の葉面散布剤(S、A)と比較試験を行いました。
使用法 2往復で試験(2列づつで行った)
     4/29 MPB区  800倍液を400L/10a散布。
     S、A区  800倍液を400L/10a散布
摘 採 5/12

結 果 ・約25mの畦1畦で生葉3Kgの増収になった。
    ・摘採前に数人で調べたが、両区に差は無いように見えた。
      しかし、摘採後の観察では、葉の手触りが、とてもしなやかだった。


静岡県静岡市足久保 佐藤 吉宏 様

使用法  1回目 4/10 800倍液を400L/10a 散布
     2回目 4/20 800倍液を400L/10a散布
摘 採  5/5

結 果  ・4/15頃に肥料を散布する時、遅れ芽が動いている様だった。
     ・芽数が多い。今年は、芽数が少ないと言われていたが、
      刈る前頃には芽数が多くなっていた。
     ・いつもは、遅れ芽が止まるのが、止まらずに伸びた為に、芽数が増えた。
      (遅れ芽の伸びが良い。)
     ・葉肉が厚く、色、艶が良い。
     ・例年製茶が5/22~23に終わるのに、今年は芽が早く伸びたので、
      5/17日頃には終わります。
     ・いつもほど蒸さなくても、荒茶の色が良いし、水色も良い。
     ・摘採は早めのほうが良い。


静岡県静岡市足久保 海野 良雄 様

結 果  ・1回散布区、2回散布区と分けて試験をしたが、
      無処理区を作らなかったので、差が分からなかった。
     ・二番茶にも使用しました。

静岡県静岡市足久保 佐藤 真澄 様 

二番茶でMPBの効果をみる。
使用法 1回目 6/4  2回目 6/12

結 果 ・芽の伸びが良い。
    ・葉が大きくなる。葉の色が濃い。(畑の色が違うのが、一目で判る。)
    ・芽が大きくなるので2回目の散布7日後の摘採が一番効果的である。
     (10日経つと大きくなりすぎるので遅い。)


静岡県静岡市 大原茶協同組合 渡辺 様

使用法  MPBの500倍液を500L/10a×2回 散布

結 果 ・色、艶、が非常に良かった。近所の人達に「何を使ったんだ」と言われる位に
     素晴らしい色、艶になった。


静岡県静岡市足久保 吉本 邦弘 様

使用法  1回目 摘採23日前 2回目 摘採7日前

摘 採  5/12

結 果  ・芽伸びは変わらない様に思う。(見た目では良く分からない)
     ・茎が目立たず、柔らかい。(ケバが少ない。茎が少ない)
     ・収量が多い様だ。普通、150~200kgの所が、200~250kg有った。
     ・静岡茶市場でも500~600円/kg高く売れた。
     ・少し品質が良かったのではないかと思う。


静岡県静岡市足久保 海野 金一 様

使用法  1回目 4/17  2回目 4/24

摘 採  5/17

結 果  ・お茶が始まった頃(5/初)は、芽が出ていなかったが、
      ここ1週間で、みるみる伸びた。(5/17現在、まだ、芽が止まって居ない。)
     ・芽が大きい(15cm位)わりに柔らかい、今までなら硬くなってしまう。
     ・緑化はしていても、硬化しない。
     ・二番茶にも使ったが、畑で葉色の違いが分かった。


静岡県静岡市足久保 海野 博章 様

結 果  ・1回だけの使用の為に余り良く分からなかった。
     ・MPBを入れた花瓶の水が全く腐らなかった。
     ・今日3週間目位で水を捨てたが、茎がヌメヌメになっていなかった。


静岡県静岡市足久保 佐藤 昇 様

結 果  ・品評会用の幼木に、2回散布した。
     ・増収した気がするが、木が昨年より1年大きくなっているので、はっきりしない。


静岡県静岡市足久保 佐藤 幸雄 様

結 果  ・1,000倍液を2回散布した。
     ・芽が柔らかい感じがする。
     ・大きい割りには、良くよれる。


静岡県清水市小河内 望月 正 様

結 果  ・1番茶前に3回散布、収量が多かった。特に2番茶の量が多かった。
      また、価格も950円/kgと高かった。


静岡県清水市小河内 大沢 正美 様

1番茶に使用
使用法   500倍液と800倍液で使ってみた。(400L/10a散布)

結 果 ・800倍液区の方が、伸びが良かったように思う。500倍液区の伸びはもうひとつ
     だったが、葉肉が厚く、節間がつまっている様だった。
    ・無処理区より市場で高く売れた。



静岡県静岡市足久保 小林 嘉男 様

使用法  1回目 摘採21日前   2回目 摘採14日前

品 種  おもいかおり

結 果  ・余り変化が見られなかった。
     ・手ざわりも他と比べて余り差が無いように思った。
     ・芽数が少なく、小さめで刈って、収量は昨年と同様で有った。
     ・葉肉が厚い。


静岡県静岡市足久保 海野 敏郎 様

結 果  ・幼木の為はっきり分からないが、古い葉の色が良くなる。


静岡県静岡市足久保 林 美治 様

1回散布しただけ。

結 果  ・伸びはわからなかったが、葉の緑が濃い。


静岡県静岡市足久保 上野 肇 様

使用法  摘採20日前に800倍液を散布
摘 採  5/12
結 果  ・刈り取った後の新芽の色が良い。
     ・割合、葉が「しなしな」している。
     ・二番茶にも使用したが、葉の色艶が良く葉肉も厚くて、
      収量も多い様に感じられた。


静岡県静岡市足久保 福島 正 様

使用法  4/8  800倍液を散布

結 果  ・葉に照りが有る。
     ・1回しか散布しない為はっきりしなかった。
     ・薬の臭いが薄くなる


静岡県静岡市足久保 福島 英夫 様

品評会用の茶園に散布
使用法  1回目 4/14  800倍液を散布、2回目 4/20 800倍液を散布
摘 採  4/26
結 果 ・葉の色、艶が良い。
    ・荒茶の色も抜群に良い。
    ・古葉の色が良い。
    ・静岡茶市場で、3万円/kg の値がついた。(5/14静岡新聞掲載)
    ・MPBの散布液が残ったのでジャガイモに1回散布したところ、葉色が凄く良い。


静岡県 佐藤 真澄 様  

2番茶に対するMPBの効果
使用法  6/4 1回目散布   6/12 2回目散布
結 果 ・芽の伸びが良い。
    ・葉が大きくなる。
    ・良くよれる。(製造の時)
    ・茶園の色が全く違う。(色が濃い。)
    ・MPB散布7日後の摘採が良い。10日経つと大きくなり過ぎる。


静岡県富士宮市神成 渡辺 増孝 様

霜害を見事に克服して増収、増益
使用法  4/27と5/6の2回霜害を受けたので、5/7に刈り込み整枝を行った後、
     MPBの1,000倍液を茶樹の上から充分に散布しました。
     更に1週間後にもう一度、1,000倍液を充分に散布しました。
結 果 ・新芽の伸びがすごく早い。
    ・芽の揃いが非常に良い。
    ・2週間後の5/20に摘採した生産量が1.5~2.0tも有った。(普通は0.6~0.7t位)
     これは荒茶が330kg有ったことで証明できます。
    ・価格も10日前の物と同じ1600~1,650円だった。(普通は900円位)
    ・摘採の時、例年だと1列で一杯になる袋が、今年は半分も行かない内に
     一杯になってしまう、と作業をしている親戚の人達が驚いていました。
    ・5列だけMPBを散布しなかったが明らかに差が有りました。
     (お茶摘みの人達の話を聞いただけで良く解りました。)
    ・上記のように霜害に逢っても、MPBを散布することにより、良品質な物が
     増収できることが良く解りました。


静岡県沼津市平沼 成島 清 様  

(第26回 静岡県茶園共進会 農林水産大臣賞 受賞者)

結 果 ・MPBを薦められて使ってみたら、自分の理想とする芽が出るようになり、
     園相も良くなりました。葉の色が良く、硬葉にならず、収穫量も多く、非常に
     喜んでいます。使い方は、萌芽期から年間7回~8回散布します。
     特に私は、二番茶後最低3回は散布します。これは、蓄積澱粉を多くする為に、
     是非必要だと考えているからです。この蓄積澱粉が、翌年の一番茶を左右します。
    ・今年は、3/20、4/20、5/26、6/5、8/4、8/19、9月下旬の予定です。
    ・希釈倍率は、800倍とし、10a当たり500~600Lと、充分散布します。
     農薬と、混用できるので、手間もかからず便利です。MPBの使用により
     「沼津のお茶のレベルアップ」につながれば最高だと思っています。


静岡県沼津市東椎路 大嶽 敏彦 様

結 果 ・MPBは、全部の園に散布した為、比較対照が出来ずに生葉については、
     良く分からなかった。しかし製品については、色、味、共に良く、特に重たい、
     目方のあるお茶が出来たように思います。品質が良くなり、しかも、
     収穫量が多くなる、お茶の生産農家にとっては、まさに福音です。
    ・今年は、4/3、4/20、6/15、7/25 に散布しました。
    ・希釈倍率は、1,000倍で、10a当たり250~300L散布しました。
    ・MPBは、何とも言えぬ予感がする。2年~3年先が楽しみです。


静岡県富士市船津  秋山 幹雄 様

結 果  ・自園のお茶も良くなり、製品の品質が上がり、喜んでいます。
     ・生葉の生産者にも、MPBの使用を薦めています。


静岡県富士市船津  西家 厚 様


使用法  1,000倍液を500~600L/10a散布。散布日は、3/16、4/2、4/15、4/28(一部)
     6/7、6/16(一部)、6/27(一部)、7/6(一部)、7/16(一部)、8/2、9/5
摘 採  やぶきた 5/6摘採(一番茶)1,400kg/9a(10a換算で1,556kg)
     さやまかおり 6/22摘採(二番茶)2,300kg/13a(10a換算で1,769kg)
結 果 ・葉の色、艶が良く、近所の人達からどんな肥料を使ったのか、と聞かれる位、
     差が有りました。葉に厚みが有り、しかも柔軟性が有りました。また、霜害を
     受けましたが、その回復力が素晴らしく、収穫量が極めて多くなりました。


熊本県人吉市 人吉共栄株式会社

結 果 ・人吉地区には、300町歩の茶園が有り、そのうち30町歩は有機栽培ですが、
     堆肥が足りないので、未熟堆肥がかなり入るが、MPBを散布しておけば、心配は
     全く要らない。4/10の晩霜にも、被害が少なかった。葉に粘りが有り、製茶の時、
     蒸しが浅くても良い。生葉で1トン以上も有った。



2017年11月26日

Super MPB

スーパーMPB

Super MPBは、
MPBに、キチン溶解酵素「キチナーゼ」をプラスした製品です

「光合成細菌生体」
    +
「海藻エキス」
    +
「有機酸キレート鉄」
    +
「キチナーゼ

キチン溶解酵素「キチナーゼ」とは
 キチンは、エビ・カニなどの甲殻類の殻や昆虫の外皮、イカや貝などの軟体動物の器官、真菌類の細胞壁に含まれており、セルロースについで自然界に多く存在する多糖類です。また、土壌中に存在する糸状菌の菌体にも、キチン質が多く含まれています。
 このキチン質を分解する酵素(キチン溶解酵素)の代表格がキチナーゼです。
 一般的にはキチン質は、濃塩酸などの化学的に非常に厳しい条件におかなければ分解はしませんが、キチナーゼと混ぜると、室温という温和な条件でも分解します。こうしたキチナーゼの様な溶解酵素は、好熱菌をはじめ有用微生物が作り出します。
 尚、キチンの応用分野としては、食品・医療・化粧品・農業・工業・環境の多くの分野に利用されていますし、現在でも多岐にわたって研究が進められ、商品化が盛んに行われています。
 特に、農業分野では、土壌改良剤、成長促進剤、殺虫剤、抗ウィルス剤・ウィルス病の防除など、広範囲においてすでに利用されています。
 では、このキチン溶解酵素キチナーゼは、農作物を作るうえでどのような働きをしてくれるのでしょうか。
     
キチン溶解酵素「キチナーゼ」による病害抑制
 農作物は、私たち人間と同様に病気にかかります。農作物の病気については良く研究されており、ひとつの農作物には大抵10種類以上の病気を持っていることが確認されています。こうした病気を未然に防ぐことが農業に求められ、現在では、多くの農薬が使用されていますが、農薬の環境問題や食品への悪影響、環境の破壊などが、大きな社会問題となっています。
 農作物に被害をもたらす多くの病害は、病原菌である線状菌(カビ)の感染によって引き起こされています。この線状菌の細胞壁には、キチンが存在し、菌の細胞形態を保つ役割を果たしています。
 こうした病原菌に対して、溶菌酵素であるキチナーゼを用いることによって、病原菌の細胞壁の主成分であるキチン質を分解し、病原の感染や農作物体内での増殖をより強く抑えることができます。
     
昆虫や病害に対するキチン溶解酵素キチナーゼの効果
 昆虫は、農作物を食い荒らしたり、ウィルス等の病害の媒体になったりすることが知られていますが、その昆虫の外皮にもキチン質が含まれており、キチン質がキトサナーゼによって分解され、昆虫の発育抑制物質としての働きをします。
 うどん粉病・黒とう病・灰色カビ病・べと病・晩腐病など、様々な糸状菌による病気によって農作物に大きな被害が報告されていますが、こうした病害にも溶菌であるキチナーゼは有効に機能します。

キチン溶解酵素キチナーゼを含む「Super MPB」を、葉面散布や土壌潅水することで、有用微生物が増殖し、豊潤な土壌となり、病原菌を減少させるだけで無く、害虫の発育抑制物質としての働きをし、農作物を病害虫から結果的に守ることに繋がります。

 

2017年11月25日

ゼラチンのBSE安全性について

「アミノ酸液 高砂1号・2号」 の原料である「ゼラチン」の安全性について

( 2002/06/24 ゼラチンのBSE安全性に関する研究報告会 要旨 )
東京大学名誉教授 山内一也 監修
2002/07/22 日本ゼラチンエ業組合

 日本で製造販売されているゼラチンは、乳と並んで最も安全なウシ由来製品の一つです。ゼラチンはBSE(牛海綿状脳症)がフリーの安全な原料から製造されており、またゼラチンの製造工程にはBSEの感染性を著しく低減させるいわゆる不活化の能力があって安全性を確実に出来るからです。この不活化に関する最新の研究報告会が2002年6月24日東京で開催されました。この研究報告の概略をご報告し、ゼラチンのBSE安全性をあらためてお知らせ申し上げます。

 ゼラチン原料である骨および皮は、世界保健機関(WHO)が1997年3月に発表した専門家会議(1)のなかで、BSEの感染性が検出されない部位に指定されています。
 日本ゼラチン工業組合は、日本でのBSE発生確認以前から、原料サプライヤーとの緊密な連携のもと、原料原産国の明確化、BSEリスク部位の排除、汚染防止など、ゼラチン製造に適した安全な原料の確保に努めてまいりました。私どもが用いるウシ由来ゼラチン原料は、厚生労働省医薬局の通知、医薬発第1069号(平成13年10月2日)、食発第294号(平成13年10月5日)ともに適合しております。
 このように、ゼラチンは、原産地が明確で、健康なと畜由来の骨、皮から製造されており、基本的にBSEの危険性のないウシ由来製品であるといえます。
 これに加えて、ゼラチンが、様々な精製工程を経て製造された高純度のタンパク質であることも、BSEに対する安全性を保証しています。ゼラチンは、骨、皮を、酸もしくはアルカリで前処理したのち、原料中のコラーゲンを温水によって、加熱変性し、抽出したもので、さらに、ろ過、イオン交換を施し、高温殺菌して製品化されています。これら伝統的に行なわれてきた原料処理やゼラチン精製工程で施される化学的処理や物理的処理、加熱処理には、BSEの感染リスクを著しく低減する効果(不活化効果)があり、万一、交差汚染によって原料中にBSE伝播物質が存在したとしても、最終製品には感染性は残らないといわれてきました。
 これらのことを実証するために、欧州ゼラチン工業組合(GME)は、1994年に公表した標準的なゼラチン製造条件(2)について、過去10年にわたり、様々なバリデーション(確認)の研究を行なってきました。
 初期の研究は、英国エジンバラのインバレスク研究所(Inveresk Research Institute)で実施されました。その研究成果は、EU科学運営委員会(SSC)の意見書「ゼラチンの安全性」(3),(4)でレビューされ、原料処理の不活化に関する貴重な情報として評価されましたが、モデル系での検討であり、実際のゼラチン製造工程を模したものではありませんでした。また、用いられたTSE感染物質の適切性についても問題提起がなされていました。そのため、GMEは、SSCの助言を受け、実際のゼラチン製造工程にもとづいた小規模の模擬実験による研究を新たに計画し、英国、オランダ、米国の独立した研究機関にバリデーション研究を委託し、実施しました。この研究成果が2001年末に出そろい、同年12月に、ベルギーのブリュッセルで開催されたワークショップ(Gelatin Process Study Workshop)(5)で発表されました。
 GMEによる最新の研究報告を、日本のゼラチン関係者の皆様にも、よりわかり易く提供し、ゼラチンのBSE安全性への理解を深めていただくために、日本ゼラチン工業組合主催による「ゼラチンのBSE安全性に関する研究報告会」が、2002年6月24日、東京国際フォーラムで開催されました。東京大学名誉教授山内一也先生を座長にお迎えし、EUのSSC副委員長 A. オスターハウス教授(エラスムス大学ウイルス学)、ならびに欧州ゼラチン工業組合代表 M.スコンチェス博士より、GME研究報告の講演を、次いで、パネルディスカッションには、(独)農業技術研究機構安全性研究部長の三浦克洋先生にもご参加いただき、解説・討論を行なっていただきました(6)。
 その発表の骨子は、以下の通りです。

A.出発原料
牛の骨、皮にはBSE感染性は検出されません。ゼラチンのBSEリスクとして問題になるのは、脳などの高感染性組織が原料としての骨に汚染を起こす可能性です。皮ではこのような交差汚染は考えられません。そこで、交差汚染の状況を作り出すために、TSE感染物質としてハムスター継代の263K株(スクレイピー)もしくはマウス継代の301V株(BSE)を牛骨に添加(スパイク)し、現実に起こり得るよりも1000倍高いレベルに汚染させたものを出発原料としました。これらの株は、インバレスク研究で用いられた株よりも、感染性、耐熱性ともに高いものです。
B.ゼラチン製造
この骨原料を、ベンチスケールのゼラチン製造モデルを用い、脱脂、脱灰処理(pH1.5以下、2日間)ののち、伝統的な酸(pH3、一晩)またはアルカリ(過飽和石灰、20日)による原料処理を行ない、ゼラチンを製造しました。抽出ゼラチンは、さらにろ過、イオン交換、殺菌工程(138℃、4秒)を経て、最終製品まで仕上げました(英国エジンバラの家畜衛生研究所担当)。これら一連のゼラチン製造実験とは別に、ゼラチン溶液に301V、263Kをスパイクしたサンプルを、ろ過、イオン交換、殺菌し、液処理工程のみの不活化効果を評価する研究も実施されました(米国ボルチモア研究・教育財団担当)。 これらの条件は、伝統的なゼラチン製造条件で、かつGME各社に共通な最低限のものが採用されています。すなわち、日本ゼラチン工業組合各社においても、同条件以上のレベルで製造が行なわれています(7)。また、感染物質による汚染原料の調製、スケールダウン製造モデルが、実際のゼラチン製造条件と等価であるかなど、一連の実験の正当性については、別の独立機関により評価、検討がなされています。
C.感染性評価
バイオアッセイによって評価されました。TSE株の由来と同じ動物、即ち263K株のスパイクサンプルはハムスター、301V株はマウスへの脳内接種が行なわれました。これにより種のバリアおよび経口によるバリアのいずれも無い系となり、高感度の感染性の測定ができることになります。被験動物は、最長の潜伏期間以上飼育され、TSEの臨床的、組織生理学的観察が行なわれました。
D.結 果
酸処理、アルカリ処理ゼラチンのいずれも、最終製品に感染性は検出されませんでした。すなわち、ゼラチンの製造工程は、現実には起こり得ない高レベルの汚染により持ち込まれたTSE感染物質をも完全に除去/不活化しました。 各工程の除去効率は、酸もしくは石灰による原料前処理で、102.5~104.6、ろ過・イオン交換処理で101~101.5、熱殺菌処理では、103~104でした。 感染性のほとんどは、原料の前処理工程で除去もしくは不活化されており、酸処理と石灰(アルカリ)処理では、後者の方がより効果が高い結果でした。酸処理においても、短期間の苛性ソーダ処理と組み合わせることで、石灰処理に匹敵する不活化効果を示す結果も得られました。ゼラチン液処理の過程では、ろ過・イオン交換処理の効果はあまり大きくなく、熱殺菌処理(UHT)に高い効果があることがわかりました。工程ごとのBSE不活化能力は、必ずしも足し算にはならないが、それぞれを累積した効果が見込めることが示されました。すなわち、ゼラチンの全製造工程は、万一の交差汚染で持ち込まれ得るBSE感染価、最大105レベルを検出限界以下まで除去しうる能力を有していると言えます。

 WHOは、1996年4月にFAOとOIEの協力の下に作成したレポート(8)のなかで、BSE感染性を不活性化する処理を経て製造されたゼラチンは、乳と同様に安全であると結論づけました。GMEによる最新のバリデーション研究成果は、WHOレポートを初めとして、従来言われてきたゼラチン製造工程の不活化能力を改めて実証したものであり、また厚生労働省が求めるBSEの不活化方法(アルカリ処理、高温殺菌)の有効性をも確認するものと考えられます。
 日本ゼラチン工業組合加盟各社が製造する牛骨および牛皮ゼラチンは、GME条件と同等の製造プロセスを経て製造されており、上記で検証されたBSEに対する安全性が十分確保できております。安全性が確保された原料を使用し、製造条件を厳格に遵守して製造されたゼラチンは、最も安全なウシ由来製品であり、今後も安心してお使いいただけるものと確信しております。

【用語の解説】
TSE感染物質 =一般的に、スクレイピーやBSEなどTSE(伝達性海綿状脳症)に罹患した動物の脳をすりつぶした乳剤様物質。これが不活化研究などに用いられる
スパイク=感染原因物質を大量に加えて実験を行なう際の添加のことをスパイクと呼ぶ
バイオアッセイ=生物検定法、生物学的(毒性)試験などと呼ばれ、生物材料を用いて、生物学的応答から、生物作用量を評価する方法
ID50=感染単位。統計的に求められた発症に必要な最少の接種材料の量を感染単位が1であるとし、対象物の感染価の大小を評価する尺度として用いる
【参考文献】
(1) World Health Organization : Report of a WHO Consultation on Medicinal and other Products in Relation to Human and Animal Transmissible Spongiform Encephalopathies, Annex 1 (1997)
(2) Gelatin Manufacturers of Europe : The BSE Safety of Pharmaceutical Gelatin from Bovine Raw Material, Status 28 (1994)
(3) Health & Consumer Protection Directorate - General, European Commission : The Safety of Gelatine (Updated by the Scientific Steering Committee, 20-21 Jan. 2000)
(4) Health & Consumer Protection Directorate - General, European Commission : The Safety with Regard to TSE Risks of Gelatine Derived from Ruminant Bones or Hide from Cattle, Sheep or Goats (Adopted by the Scientific Steering Committee, 28-29 Jun. 2001)
(5) GME : Summary report of the Gelatin Process Study Workshop, held in Brussels on December 5th, 2001 (A. H. Grobben)
(6) 連続講座人獣共通感染症(第133回), 山内一也, http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsvs/5_byouki/prion.html
(7) 日本にかわゼラチン工業組合:ゼラチン製造工程 (1996.5.27)
(8) World Health Organization : Report of a WHO Consultation on Public Health Issues related to Human and Animal Transmissible Spongiform Encephalopathies - WHO/EMC/DIS/97.147 (1996)

以上


2017年11月26日

「花果神L」液状ボトルタイプ

花果神Lは、「花果神」に肥料成分(窒素7%、リン酸1%)を加えた肥料登録品です。
花果神Lボトル72g1本に含まれるプロリン量は、花果神10gの約4倍です。
●プロリンは、植物の生長、花芽形成、果実・子実の品質向上に関与しています。
●プロリンは、水分保持機能に携わるアミノ酸で、植物が各種のストレス(日照不足、高低温、霜害、薬害、病害虫、旱魃、塩害、剪定等)を受けた時自らを保護するために生成する成分です。
花果神Lを花芽分化前~開花時期、さらには果実の肥大期に施用することで健全な花を誘導し、果実の肥大、味の改善、健全な子実の育成を促します。また、栄養生長期後半から施用する事で、ストレスに強い健全な生育を助けます。
●花果神Lは葉面散布で使用して下さい。

植物根生育促進剤「育王」との併用でより一層の効果発揮します。

花果神Lの詳細

荷姿 一箱 72g×6本入り  液状複合肥料 登録番号:生85058号
保証成分:窒素全量7.0% 水溶性リン酸1.0%
使用方法 散布は、本剤1本(72g)を水400~1,000リットルに希釈して下さい。
花果神の主成分のプロリンは非常に水に溶けやすくしかも中性ですので各種葉面散布剤・農薬との混用が可能です。単用の場合は、展着剤を使用して下さい。
※石灰硫黄合剤との混用は、有毒ガスの発生する恐れがあるので避けて下さい。
水稲・麦類
 幼穂形成期、開花期、及び乳熟期に各々散布して下さい。
果菜類・花き類・豆類
 生殖生長期(花芽分化期~開花~果実・子実の肥大期)に、7~10日間隔で定期的に散布して下さい。
芋・根菜類
 生殖生長期(地下部肥大期)に7~10日間隔で3回程度散布して下さい。
果樹類
 花芽形成期、及び開花後、3回以上定期的に散布して下さい。
芝草類
 天候によるストレス(温度、日照等)の回避に、適宜散布して下さい。
注意事項 1) 希釈後は直ちに使用して下さい。
2) 食品では有りません。乳幼児の手の届かないところに保管して下さい。
3) 原液が目に入ったり皮膚に付着した場合には、清潔な水で良く洗って下さい。
4) 本来の目的以外には使用しないで下さい。
5)石灰硫黄合剤と混用すると、有毒ガスの発生する恐れがあり危険ですから混用は行なわないで下さい。
2017年12月08日

農業用ドローンが推奨される理由

・労力の軽減・省力化
 就農人口の高年齢化と農地の集約化が進む中、従来の営農スタイルでは持続は難しい状況です。先祖から受け継いだ農地を荒らしたくない思いがあっても、体力の限界など様々な理由で離農する農家の皆さんが増えつつあります。
 せめて農薬散布等の肉体的な重荷から解放されて農業を続けるには、ドローンの活用が最も効果の高い方法です。
・水稲(水田)、野菜(畑)、樹木(果樹園等)、幅広い応用範囲
 現在、農業用ドローンの活躍の場は主に水稲や麦類が主流ですが、上から散布して効果の見込める作物・薬剤であれば、あらゆる場所での散布が可能です。もちろん、液剤・粒剤タイプの除草剤による除草も可能です。
 ドローンによる散布は無人ヘリ散布と比べ低高度から散布するため、ダウンウォッシュ(翼の回転により吹き下ろされる風)効果が高まり、作物の葉裏への薬剤付着も無人ヘリ散布に比べ大きいのです。

・低ドリフト性、低騒音性、小回りの利く機敏性
 無人ヘリを使用した薬剤散布では、ドリフト(農薬散布時に散布対象の作物以外に農薬が飛散すること)の影響がドローンに比べ大きく、他作物を栽培する農地や道路・住宅等に隣接した圃場での作業は困難でした。
 低ドリフト性、低騒音性、機敏性を兼ね備えたドローンによる低空散布ならば、農薬の周囲飛散や騒音被害を抑える事が可能になり、複雑な地形や、狭小な圃場での運用も十分可能となります。

・低予算
 労力の軽減や省力化が出来ても、コスト増となっては採算が合わず生産性も上がりません。ドローンの場合は機材コストが無人ヘリより遥かに安く、運用に関する人員も最小限で済みます。
 無人ヘリの場合は5人程度の人員が必要ですので、その人件費がコスト増につながります。ドローンの場合には、基本的に2名で運用が可能です。


2019年12月07日

1キロ粒剤・豆つぶ剤の散布装置を新規導入

農家の皆様からご要望の多かった、1キロ粒剤や豆つぶ剤の散布装置を新たに導入致しました。

1キロタイプ及び豆つぶタイプの初中期一発除草剤や中後期除草剤、病害虫防除粒剤、肥料などの散布が可能となりました。



2019年12月07日