農業用ドローンが推奨される理由

・労力の軽減・省力化
 就農人口の高年齢化と農地の集約化が進む中、従来の営農スタイルでは持続は難しい状況です。先祖から受け継いだ農地を荒らしたくない思いがあっても、体力の限界など様々な理由で離農する農家の皆さんが増えつつあります。
 せめて農薬散布等の肉体的な重荷から解放されて農業を続けるには、ドローンの活用が最も効果の高い方法です。
・水稲(水田)、野菜(畑)、樹木(果樹園等)、幅広い応用範囲
 現在、農業用ドローンの活躍の場は主に水稲や麦類が主流ですが、上から散布して効果の見込める作物・薬剤であれば、あらゆる場所での散布が可能です。もちろん、液剤・粒剤タイプの除草剤による除草も可能です。
 ドローンによる散布は無人ヘリ散布と比べ低高度から散布するため、ダウンウォッシュ(翼の回転により吹き下ろされる風)効果が高まり、作物の葉裏への薬剤付着も無人ヘリ散布に比べ大きいのです。

・低ドリフト性、低騒音性、小回りの利く機敏性
 無人ヘリを使用した薬剤散布では、ドリフト(農薬散布時に散布対象の作物以外に農薬が飛散すること)の影響がドローンに比べ大きく、他作物を栽培する農地や道路・住宅等に隣接した圃場での作業は困難でした。
 低ドリフト性、低騒音性、機敏性を兼ね備えたドローンによる低空散布ならば、農薬の周囲飛散や騒音被害を抑える事が可能になり、複雑な地形や、狭小な圃場での運用も十分可能となります。

・低予算
 労力の軽減や省力化が出来ても、コスト増となっては採算が合わず生産性も上がりません。ドローンの場合は機材コストが無人ヘリより遥かに安く、運用に関する人員も最小限で済みます。
 無人ヘリの場合は5人程度の人員が必要ですので、その人件費がコスト増につながります。ドローンの場合には、基本的に2名で運用が可能です。


2019年12月07日